JACK-IN-THE-GREEN - LIVE IN GERMANY 1970-93
/ ジャック・イン・ザ・グリーン

JACK-IN-THE-GREEN - LIVE IN GERMANY 1970-93

ROCKPOP IN CONCERT - 1982
  1. Fallen on Hard Times / ハード・タイムス
  2. Pussy Willow / プッシー・ウィロー
  3. Heavy Horses / 逞しい馬
  4. Jack-in-the-Green / 緑のジャック
  5. Keyboard Solo / キーボード・ソロ
  6. Sweet Dream / スウィート・ドリーム
  7. Aqualung / アクアラング
  8. Locomotive Breath / Black Sunday / 蒸気機関車のあえぎ
  9. Cheerio / チェリオ
ROCKSUMMER - 1986
  1. Hunting Girl / 女狩人
OUT IN THE GREEN - 1986
  1. Thick As A Brick / Level Pegging / ジェラルドの汚れなき世界
  2. Black Sunday / ブラック・サンデー
  3. Unknown Dreams / インプロヴィゼイションII
  4. Too Old to Rock 'n' Roll: Too Young to Die / Different Germany / Thick As A Brick / ロックンロールにゃ老だけど死ぬにはチョイと若すぎる
LIVE - 1993
  1. My Sunday Feeling / 日曜日の印象
  2. So Much Trouble / ソー・マッチ・トラブル
BEAT-CLUB 1970-1971
  1. With You There to Help Me / ウィズ・ユー・ゼア・トゥ・ヘルプ・ミー
  2. Nothing Is Easy / ナッシング・イズ・イージー


Information

Release Info
2008年/DVD
Audio:DTS, Dolby Surround 5.1, Dolby Digital Stereo

メンバー

ROCKPOP IN CONCERT - 1982
Vo,Flute,G etc. G B,Vo etc. Ds Key
Ian Anderson
イアン・アンダーソン
Martin Barre
マーティン・バー
Dave Pegg
デイヴ・ペグ
Gerry Conway
ジェリー・コンウェイ
Peter-John Vettese
ピーター=ジョン・ヴェテッシ

ROCKSUMMER - 1986 & OUT IN THE GREEN - 1986
Vo,Flute,G etc. G B,Vo etc. Ds Key
Ian Anderson
イアン・アンダーソン
Martin Barre
マーティン・バー
Dave Pegg
デイヴ・ペグ
Doane Perry
ドーン・ペリー
Peter-John Vettese
ピーター=ジョン・ヴェテッシ

LIVE - 1993
Vo,Flute,G etc. G,Flute B,Vo etc. Ds Key
Ian Anderson
イアン・アンダーソン
Martin Barre
マーティン・バー
Dave Pegg
デイヴ・ペグ
Doane Perry
ドーン・ペリー
Andrew Giddings
アンディ・ギディングズ

BEAT-CLUB 1970-1971
Vo,Flute,G etc. G B Ds Key
Ian Anderson
イアン・アンダーソン
Martin Barre
マーティン・バー
Glenn Cornick
グレン・コーニック
Clive Bunker
クライヴ・バンカー
John Evan
ジョン・エヴァン

個人的評価
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Review

背景
過去にドイツの第2ドイツテレビ(ZDF)が放映したライヴ映像のコンピレーション盤。リリース時期から考えて、結成40周年ツアーのドイツ公演のプロモーションも兼ねていると思われる。

解説

どの映像も、字幕等がテレビ放映のものと同じなので、ソースは放送用マスターのようだ。それぞれのコンサートの全貌を捉えたオリジナルマスターはもう存在していないのかもしれない。
特典映像もなく、また80年代中盤というJETHRO TULL / ジェスロ・タルの低調な時期[1]が捉えられていることもあり、海賊盤バスター、ファンサービスというレベルの出来ではある。ただし、未発表曲のオフィシャルリリースは嬉しい。
ドイツでのテレビ放映といえばEddie Jobson / エディ・ジョブソンとともに出演した「J.S.バッハ生誕300周年ライヴ」が有名だが、残念ながら今回は収録されていない。ZDF放映ではなかったのかもしれない。

ROCKPOP IN CONCERT - 1982
5/29[2]、ドルトムントはヴェストファーレンハレでの「THE BROADSWORD AND THE BEAST」ツアーのライヴ映像で、ブートで有名なので目にしたことがある人は多いと思う。ようやくオフィシャルで出たか、という感想だ。
「THE BROADSWORD AND THE BEAST」はドイツでは「AQUALUNG」を上回る大ヒットであり、かの国では最も売れているJETHRO TULLのアルバムだという。そういう背景もあり、映像を見ても分かるとおり、大盛り上がりのライヴである。
1(Fallen on Hard Times) --字幕及びパッケージでは"Hard Times"となっている--は続く2(Pussy Willow)とともに当時大ヒットしていた「THE BROADSWORD AND THE BEAST」からの曲である。
3(Heavy Horses)はコンパクトなアレンジ。途中でIan Anderson(イアン・アンダーソン)がタンバリンを叩き飛ばすところが格好良い。
5(Keyboard Solo)は未発表曲。キーボードソロというよりは、新入りのPeter-John Vettese(ピーター=ジョン・ヴェテッシ)とGerry Conway(ジェリー・コンウェイ)のデュエットで、Vetteseの才能が炸裂する。間髪入れず初期の曲6(Sweet Dream)に続く。シンセでオーケストレーションを再現しつつピアノも弾くという原曲のイメージを損なわないVetteseのプレイはさすがである。
代表曲の7(Aqualung)8(Locomotive Breath / Black Sunday)はお約束。8(Locomotive Breath / Black Sunday)の後半は"Black Sunday"のインストバージョンをバックに恒例のバルーン飛ばし。「THE BROADSWORD AND THE BEAST」のアルバムと同じく9(Cheerio)で締めるのもこのころのライヴでは定番だった。

ROCKSUMMER - 1986
7/6、ザンクト・ゴアースハウゼンはローレライ屋外劇場でのライヴ。STATUS QUOやNAZARETH、Rory Gallagher等が出演したフェスティバルである。
冒頭にナレーションが入っているがドイツ語なので良く分からない。収録はわずか1曲のみでしかも途中まででもどかしいが、Dave Pegg(デイヴ・ペグ)の尻出しアクションがカッコいい。
前の1982年のライヴと比べるとIan Andersonの声の線が細くなっている。1984年の米ツアーで喉を壊したためで、ライヴに対してドクターストップががかっていたが、よせばいいのに単発的なフェスティバル等には出演していたのである。

OUT IN THE GREEN - 1986
7/5、ディンケルスビュールはInselwiese(読めない)でのライヴ。前の「ROCKSUMMER - 1986」の前日にあたる。JETHRO TULLらしくなく全般的に演奏の調子は悪い。長期オフのためブランクがあるせいもあるだろう。音のバランスも悪く、ギターやキーボードのボリュームが不安定。
11(Thick As A Brick / Level Pegging)は後半がPeggのソロ曲(「THE COCKTAIL COWBOY GOES IT ALONE」収録)で彼の流麗なベースソロが楽しめる。コイツはいつも調子良いなあ。
12(Black Sunday)はバンドの調子が出ていない。これ目当てで買った人は後悔するかも。やはりこの曲のドラムはMark Craney(マーク・クレイニー)でないと。
13(Unknown Dreams)は未発表曲のインスト[3]。Martin Barre(マーティン・バー)のギターソロをイントロにフィーチャーした佳曲。もし「UNDER WRAPS」に収録されていたらあのアルバムの評価は変わっていたのではとも思える程の出来だ。パッケージには"Improvisation II"と表記されているが、何故"II"なの?
14(Too Old to Rock'n'Roll:Too Young to Die / Different Germany / Thick As A Brick)は「UNDER WRAPS」ツアーで演奏されていたものと同じアレンジ。後半で"Different Germany"(Ian Andersonのソロ「WALK INTO LIGHT」収録)のメロディが入ってバルーン飛ばし。最後に"Thick As A Brick"のリプライズで締め。実は最後の歌は・・・(見てのお楽しみ)・・・シャレなのか?

LIVE - 1993
6/19、フランクフルトでのスタジオライヴ。丁度結成25周年である。実際の番組はトークとか色々あったようだが、ライヴ部分だけを抜粋。これはかなり調子が良い。15(My Sunday Feeling)も16(So Much Trouble)も「25周年BOX」収録のアレンジ。16(So Much Trouble)は結成当初レパートリーにしていたブルースのカヴァー。

BEAT-CLUB 1970-1971
2曲とも「BEAT-CLUB」のコンピレーション盤で既出。「BEAT-CLUB」は他にも"Witch's Promise"があるのだが、口パク映像でライヴではないためか未収録。
両曲とも演奏のテンションは低い。
17(With You There to Help Me)はJohn Evan(ジョン・エヴァン)が調子が悪い。
18(Nothing Is Easy)はリハーサル?なかなか演奏が続かず、Ian Andersonが途中で去ってしまう。一番調子が悪いのはAnderson自身であるが。

日本盤

2009年に日本盤がリリースされた。ライナーノーツが和訳され日本の音楽評論家の解説が付いているのは通常通りだが、何とMCだけでなく歌自体にも日本語字幕が付く徹底ぶりである。字数の関係か省略や微妙な解釈もあるが、オリジナルのCDでは見事に誤訳されていた2(Pussy Willow)が正しく訳されているのはうれしい。ただしあくまでもレコードの歌詞準拠で、ライヴで変えてある歌詞には対応していないようだ。
また、ブックレットにモントルーライヴの写真が載っているのはいただけない。これは日本盤が出ていないないので誤解を招かないだろうか?
とはいえ、輸入盤に比べ値は張るが歌詞が気になる人は買う価値はあると思う。


Notes

[1]--「UNDER WRAPS」のセールス不振、そしてIan Andersonが喉を壊したことで、80年代中盤は半ば活動休止状態だった。Andersonは養鮭業の方に本腰を入れている。1987年の「CREST OF A KNAVE」で本格的に復帰する。
[2]--5/28の説もあるが、ここではRusso本に従う。Russo,Greg. FLYING COLOURS: THE JETHRO TULL REFERENCE MANUAL, Crossfire Publications (2000), P228
[3]--曲名はRusso本より。Ibid, P256


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