AHEAD RINGS OUT
BLODWYN PIG
Original UK Release Track List
- It's Only Love (Abrahams)
- Dear Jill (Abrahams)
- Sing Me A Song That I Know (Abrahams)
- The Modern Alchemist (Lancaster)
- Up And Coming (Abrahams/Lancaster/Pyle/Burp)
- Leave It with Me (Lancaster)
- The Change Song (Abrahams)
- Backwash (Abrahams/Lancaster/Pyle & Burp)
- Ain't Ya Coming Home, Babe ? (Abrahams/Lancaster/Pyle)
2006 EMI Remastered Edition Track List
Original AlbumBonus Tracks
- It's Only Love (Abrahams)
- Dear Jill (Abrahams)
- Sing Me A Song That I Know (Abrahams)
- The Modern Alchemist (Lancaster)
- Up And Coming (Abrahams/Lancaster/Pyle/Burp)
- Leave It with Me (Lancaster)
- The Change Song (Abrahams)
- See My Way (Abrahams)
- Ain't Ya Coming Home, Babe ? (Abrahams/Lancaster/Pyle)
- Sweet Caroline (Abrahams)
- Walk on the Water (Abrahams)
- Summer Day (Abrahams & Pyle)
- Same Old Story (Abrahams)
- Slow Down (Larry Williams)
- Meanie Mornay (Abrahams)
- Backwash (Abrahams/Lancaster/Pyle/Burp)
2006 EMI Remastered Edition
1994 BGO Remasterd Edition
Information
概要
リリース年/英米チャートアクション
オリジナル---1969年。全英第9位/全米第149位。
BGOリマスター---1994年。
EMIリマスター---2006年。
アルバム種別
スタジオ盤
メンバー
BLODWYN PIG #1 1969-72 G,Vo Flute,Violin,Sax B Ds Mick Abrahams
ミック・エイブラハムズJack Lancaster
ジャック・ランカスターAndy Pyle
アンディ・パイルRon Berg
ロン・バーグ
オリジナルレコーディング情報
プロデューサー---Andy Johns
エンジニア---Andy Johns
スタジオ---Morgan Studios, London
個人的評価
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Review
背景
JETHRO TULL / ジェスロ・タルの初代ギターリストだったMick Abrahams(ミック・エイブラハムズ)が、TULL脱退後結成した自らのバンドBLODWYN PIG / ブロドウィン・ピッグのファーストアルバム。
初期JETHRO TULLでIan Anderson(イアン・アンダーソン)と並ぶ重要人物であったAbrahamsであったが、ブルースロックに固執するあまりジャズやトラッドに音楽性を拡大しようとするIan Andersonと対立し、それがTULLを早々に脱退した一因ともいわれる。BLODWYN PIGはAbrahamsがリーダーのバンドなので、もちろんブルースを基調にした音楽を展開しており、一方で名マルチプレイヤー、Jack Lancaster(ジャック・ランカスター)の存在のおかげで、ジャジーな側面も持ち合わせている。
また、ベーシストはTULL結成前のバンドMcGREGOR'S ENGINEの同僚で後にGary Moore(ゲイリー・ムーア、ガリー・モー)、KINKS / キンクス、WISHBONE ASH / ウィッシュボーン・アッシュ等で名を挙げる名手Andy Pyle(アンディ・パイル)である。
BLODWYN PIGというバンド名は、Graham Wallerという、ヤク中のジャズキーボーディストにして元仏教僧侶が名付け親らしいが[1]、どうもウェールズ語で悪い意味らしい[2]。
音楽性
JETHRO TULLのファースト、「THIS WAS」の音楽性の多くの部分を受け継いでおり、TULLのセカンド、「STAND UP」とは兄弟アルバムといえるだろう。すでに英国では名ギタリストとしての名声を得ていたAbrahamsは、「STAND UP」におけるIan Andersonがそうであるように、もはや邪魔者はいないとばかりにおもいっきり自らの音楽を体現している。
インナースリーブにはMick Abrahams自身の手によるライナーノーツと各曲解説が載っている。すでにJETHRO TULL時代につくられていた曲もあり、TULLによるリハーサルバージョンがブートで出回っているそうだ[3]。
曲解説
英盤と米盤では収録曲が異なるが、ここでは英盤に従う。
アルバムは、アップテンポな1(It's Only Love)で幕を開ける。Jack LancasterのサックスとMick Abrahamsのギターが交互にソロを取る。両者とも非凡なプレイであるが、Abrahams主導のはずのバンドサウンドの中にあって、Lancasterのプレイはやや目立ちすぎともいえ、今から考えれば後にバンドの主導権をめぐって両者が対立するのは必然だったように思える。
そのLancaster作のインスト3(The Modern Alchemist)は、バンドの代表曲の一つとなっている。
バンドのまとまりとしてはセカンド「GETTING TO THIS」に一歩譲るものの、楽曲はどれも質が高い。「THIS WAS」が好きな人は気に入るだろう。
なお、ヴォーカルはMick Abrahams自身が取っている。「THIS WAS」でも何曲かで彼の歌声が聞けたが、ヴォーカリストとしての自己主張もあったのだと思われる。
1994 BGO Remastered Edition
1994年にリマスター盤がBGOからリリースされた。オリジナルの英盤に準拠した曲目であるが、8(Backwash)がなぜかCDの曲目リストから落ちている。実際にはきちんと収録されている。9(Ain't Ya Coming Home, Babe ?)のイントロのようなインストである。また作曲クレジットのBurpとはRon Bergのことである[4]。
2006 EMI Remastered Edition
2006年にMick Anrahamsの監修で新たなリマスター盤がEMIからリリースされた。Mick Anrahamsの書き下ろしライナーノーツ付き。英盤と米盤を合わせた曲目となっており決定版といえる。
米盤選曲の特に大きな問題は英盤ではセカンド「GETTING TO THIS」に収録されている8(See My Way)が入っていることだった。この曲はBLODWYN PIGの代表曲であり、そんなおいしいところをセカンドから持ってきてしまうとは・・・ただ、こちらは英盤「GETTING TO THIS」と異なりフェイドアウトしない。その代わりに16(Backwash)はボーナストラック行き。また、米盤「GETTING TO THIS」で"See My Way"の代わりに入っていたのが15(Meanie Mornay)である。
ボーナストラックの11(Walk on the Water)と12(Summer Day)はBGOリマスターの「GETTING TO THIS」とかぶっている。
10(Sweet Caroline)はシングル2(Dear Jill)のB面曲。13(Same Old Story)と14(Slow Down)はシングル曲でアルバム未収録だったもの。
何かもう、詰め込みすぎてセカンドのEMIリマスターが出るとしてもネタがなさそうなんですけど。
[1]--Mick Abrahams Interview, Espinoza,Barbara. DRIVING IN DIVERSE: A COLLECTIVE PROFILE OF JETHRO TULL, Morris Publishing (1999), P141 etc.
Notes
[2]--Mick Abrahams: "...I have been asked by Welsh people who think that the name offends them, but it's none of my doing!"(その名前が気分を害すと考えるウェールズの人々に尋ねられたことがある。でも私が名付けたわけではないんだ!), Russo,Greg. FLYING COLOURS: THE JETHRO TULL REFERENCE MANUAL, Crossfire Publications (2000), P234
[3]--Rees,David. MINSTRELS IN THE GALLERY - A HISTORY OF JETHRO TULL, Firefly (1998), P175
[4]--Ibid, P197
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