RUPI'S DANCE

Ian Anderson

FUEL 2000 302 061 328 2 (US.)

RUPI'S DANCE

  1. Calliandra Shade (The Cappuccino Song)
  2. Rupi's Dance
  3. Lost in Crowds
  4. A Raft of Penguins
  5. A Week of Moments
  6. A Hand of Thumbs
  7. Eurology
  8. Old Black Cat
  9. Photo Shop
  10. Pigeon Flying Over Berlin Zoo
  11. Griminelli's Lament
  12. Not Ralitsa Vassileva
  13. Two Short Planks
  14. Birthday Card at Christmas (Bonus Truck from THE JETHRO TULL CHRISTMAS ALBUM)


All songs written and produced by Ian Anderson

Ian Anderson
Vocals, flute, bamboo flute, wooden flute, piccolo, guitars, ,acoustic guitar, bass guitar, accordion, percussion.

Andrew Giddings
keyboards, bass.
James Duncan
Drums
David Goodier
Bass guitar
Leslie Mandoki
Drums, percussion, udu
Laszlo Bencker
Piano, hammond organ, keyboards.
Ossi Shaller
Guitar
George Kopecsni
Guitar
John O'hara
Accordion
Martin Barre
Electric guitar, "Birthday Card at Christmas"
Doane Perry
Drums, "Birthday Card at Christmas"

The Sturcz String Quartet


-- Highly Recommended !

2003年リリースのイアン・アンダーソン4作目のソロアルバム。
前作「THE SECRET LANGUAGE OF BIRDS」のリリース後精力的なソロツアーを行ったアンダーソンは、自身のソロキャリアに相当な自信を持ったと見え、「ラウドな音楽はあまりやりたくない」だの「ハードな音楽はJETHRO TULLで、アコースティックな音楽はソロで」だのといった発言をしていた。「おいおいそれって要するにTULLに熱意がないってこと?」とファンはやきもきしたものである。(私だけか?)
で、ニューソロアルバムは大方の予想通り、前作の延長線上のアコースティックアルバムとなった。

前作はアンダーソンの真髄が炸裂した傑作だったが、本作は方向性が読めていただけに新鮮味が薄れてしまったなあというのがリリース時の正直な感想だった。また、最初の2曲が明るすぎて全体から浮いており、アルバムを理解するのにちょっと時間がかかってしまったというのもある。ボーナストラックの方が良い曲に思えたりしたものだ。

本作の聴きどころはやはり3曲目以降だと思う。マイナー調のメロディアスな曲が並び何度聴いても飽きない。まあ単にマイナー調の憂いのある曲こそブリティッシュロックなりという信念がある私の好みなのかもしれないが・・・
特に3(Lost in Crowds)4(A Raft of Penguins)8(Old Black Cat)あたりがファンが期待するイアン・アンダーソンの曲ではないだろうか。エスニック趣味を昇華した変則インスト7(Eurology)はTULLのレパートリーにも取り入れられている。
また、フルートが前作よりまろやかというか、アコースティック曲によりいっそうフィットした吹き方になっている。ただ、そろそろフルート抜きの曲も聴きたいな・・というのも正直な感想。TULLには"Aqualung"とかフルート抜きの名曲もあるからね。

それぞれの曲の背景については、歌詞カードにアンダーソンによる解説がついているのでそれを参照されたい。Rupiとはアンダーソンの愛猫だそうだ。ジャケットの黒猫がそれだと思う。

いくつかの曲では本物ストリングスが導入されているが、これはアンダーソンがオーケストラとソロツアーを行った成果のフィードバックだろう。このストリングスがかなりツボを押さえたアレンジになっていて、前作から進化したポイントになっている。
また、バックを務めるのは愛息のジェイムズ・ダンカンに加え、かねてからアンダーソンと深い親交のあるレズリー・マンドーキらで、主役のアンダーソンを引き立てる緻密なバッキングはいかにもベテランの職人という感じ。

ボーナストラックの14(Birthday Card at Christmas)はこの後にリリースされたJETHRO TULLのアルバム「THE JETHRO TULL CHRISTMAS ALBUM」より。アコースティックだがTULLの曲だけあってやっぱりハード。

しかしバンドで成功している人のソロアルバムって大概偏屈な出来なのだが、ここまである意味まっとうなアルバムってのも珍しいかも。まあJETHRO TULLと音楽的な垣根はほとんどないんだけど・・JETHRO TULLが好きな人なら絶対気に入る作品。


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