THE SECRET LANGUAGE OF BIRDS

Ian Anderson

FUEL 2000 302 061 053 2 (US.)

THE SECRET LANGUAGE OF BIRDS

  1. The Secret Language of Birds
  2. The Little Flower Girl
  3. Montserrat
  4. Postcard Day
  5. The Water Carrier
  6. Set-Aside
  7. A Better Moon
  8. Sanctuary
  9. The Jasmine Corridor
  10. The Habanero Reel
  11. Panama Freighter
  12. The Secret Language of Birds, Pt II
  13. Boris Dancing
  14. Circular Breathing
  15. The Stormont Shuffle
  16. (Greeting from Ian Anderson)
  17. In the Grip of Stronger Stuff (Hidden Bonus Truck)
  18. Thick As A Brick (Hidden Bonus Truck)


IAN ANDERSON
Vocals, flute, acoustic guitar, bouzouki, acoustic bass guitar, mandolin, percussion, piccolo.

ANDREW GIDDINGS
Accordion, piano, organ, marimba,percussion,electric bass, keyboards and orchestralsounds.

GERRY CONWAY
Drums, "Secret Language Of Birds", "The Little Flower Girl"
DARREN MOONEY
Drums, "Sanctuary", "The Secret Language Of Birds, Pt. II"
JAMES DUNCAN
Drums, "Panama Freighter"
MARTIN BARRE
Electric guitar, "Boris Dancing", "The Water Carrier"

Written, produced and engineered by IAN ANDERSON.


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2000年3月8日発表。1997年にはすでに完成していた、イアン・アンダーソンの通算3作目にあたるソロアルバム。
長らくファンが期待していたアコースティックアルバムがようやく登場した。ファンには周知のとおり、アコースティック色はJETHRO TULLの重要な要素である。フルートインストアルバムであった前作「DIVINITIES」もそうであったように、JETHRO TULLの音楽性のコアを拡大した作品、と位置付けることが出来ると思う。
ただ、本作はヴォーカルが入っているということもあり、前作よりもずっとコマーシャルで分かりやすい作品だ。ていうか、ここまでくるともはやJETHRO TULLそのものである。アコギ、ヴォーカルのみならず、フルートもふんだんにフィーチャーされている。昨今のイアン・アンダーソンののどの衰えがつらい一ファンとしては、こうしたソフト路線でのびのびと歌っているアンダーソンの姿は、正直、うれしい。
ほとんどが5分以下の小曲で、そのことも本作を一気に聴ける一因だ。

1(The Secret Language of Birds)はすでにJETHRO TULLの「J-TULL DOT COM」のシークレットトラックとしてファンにはおなじみの曲。やはり名曲である。ドラムをたたいているのは、かつてJETHRO TULLのメンバーだったジェリー・コンウェイ。
13(Boris Dancing)もすでにTULLのライヴで披露されていた曲。タイトルの"Boris"とは元ロシア大統領ボリス・エリツィンのこと。本作がリリースされたときはすでに辞任していたけどね・・・
本作で驚かされるのは、まずメロディの豊かさ!全曲アコースティック路線であれば似たり寄ったりの作品集になりがち(一昔前に乱発された一連のUnpluggedものを思い出そう)。だが、本作はトラッドありエスニックありでそれぞれの曲たちが表情豊かである。
そして、アンダーソンのアコギの妙!彼が優れたギターリストであることは今更言うまでもないであろう。JETHRO TULLでは、エレクトリックパートを盟友マーティン・バーに任せ、自身はまるで吟遊詩人の如くアコギをかき鳴らす。本作ではその彼の妙技が十二分に堪能できる。まあアコースティックアルバムなんだからそりゃそうか。そのバーは5(The Water Carrier)、13(Boris Dancing)でゲスト参加。
また、11(Panama Freighter)でドラムをたたいているのは、アンダーソンの愛息、ジェイムズ・ダンカン・アンダーソンである。

もちろん、看板であるフルートも大活躍している。奏法、スタイルは前作を引き継いでいるが、初期の、ローランド・カークを模倣したただ乱暴なプレイと比べ、エスニック色を増した現在のスタイルはまさに完熟の境地といえるだろう。ロックでフルートを吹く人は散見されるけれども、アンダーソンほどの境地に達した人物は他にいない。
その他にもマンドリンやらベースやらブーズーキやらピッコロやらマルチプレイヤーぶりを如何なく発揮している。

JETHRO TULLの「DOT COM」同様、本作にもシークレットトラックが収録されている。前作からの17(In the Grip of Stronger Stuff)は良いとして、18(Thick As A Brick)はいくらなんでも反則だろー。もちろん冒頭のアコースティックパートのみである。両曲ともアンダーソン、アンドルー・ギディングズ、マーティン・バーによる、リハーサルトラックのようなもの。ソースはテレビ番組での演奏と言われている。

本作でもアンダーソンと並んでクレジットされているアンドルー・ギディングズの貢献度が高い。アンダーソンの片腕として現在のJETHRO TULLにも不可欠の人材である。

個人的には14(Circular Breathing)が大のお気に入り。
ファンならずとも買い!の傑作。凄い。


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