ROCK ISLAND

EMI 0946 3 70976 2 5 (Remastered/EU)
東芝EMI CP32-5918 (廃)

ROCK ISLAND
  1. Kissing Willie
  2. The Rattlesnake Trail
  3. Ears of Tin
  4. Undressed to Kill
  5. Rock Island
  6. Heavy Water
  7. Another Christmas Song
  8. The Whaler's Dues
  9. Big Riff and Mando
  10. Strange Avenues
Remastered Edition Bonus Track
  1. Christmas Song
  2. Cheap Day Return / Mother Goose
  3. Locomotive Breath

IAN ANDERSON - VOCALS, FLUTE, KEYBOARDS, MANDLIN, ACOUSTIC GUITAR AND DRUMS ON "The Rattlesnake Trail" AND "Another Christmas Song"

MARTIN BARRE - GUITARS

DAVID PEGG - BASS GUITAR, ACOUSTIC BASS, MANDOLIN

DOANE PERRY - DRUMS

ALSO, MARTIN ALLCOCK, KEYBOARDS ON "Strange Avenues" AND "Kissing Willie"

PETER VETTESE ADDITIONAL KEYBOARDS ON "Heavy Water", "Rock Island", "Undressed to Kill" AND "Ears of Tin"

PRODUCED AND ENGINEERED BY IAN ANDERSON

RECORDED AT IAN'S PLACE
PRE-PRODUCTION, AND MOST DRUM TRACKS
RECORDED AT : DAVE PEGG'S WOODWORM'S STUDIO

ALL SONGS WRITTEN BY IAN ANDERSON



私的アオリ


1989年発表。全英第18位。全米第56位。前作「CREST OF A KNAVE」で活動を再開したTULLはグラミー賞を受賞しバンド結成20周年を迎え、活発にツアーを行う。そして復活の勢いそのままにニューアルバムをリリースするのである。

タイトルのROCK ISLANDとは当時Ian Andersonが住んでいたスコットランドのスカイ島(Isle of Skye)のことを指している。裏ジャケに手形みたいなのが写っているが、スカイ島の地図だ。Dun RingillもBroadfordもここにある。TULLファンの聖地のひとつである。そして本作収録曲のいくつかはスコットランドをテーマにしている。

アルバムの路線は前作のハード路線を踏襲しているが、マンドリンを各所に導入することでTULLらしさをアピールしている。「CREST OF A KNAVE」よりもまとまった印象で特に後半部分が素晴らしいが、ハードエッジ路線の楽曲よりもスローでタメの効いた曲の方が彼ららしいインパクトがある。年齢的肉体的(アンダーソンの喉の問題等)なものもあるし80年代中盤以降の彼らに「STAND UP」や「AQUALUNG」の頃の若さに任せた熱気を求めるのは酷であろう。3(Ears of Tin)、5(Rock Island)、8(The Whaler's Dues)等における年季の入ったプレイこそが80年代のTULLの姿である。

1(Kissing Willie)はサブリミナル的にヒワイな(ていうか歌詞がそうなんだが)プロモ映像が制作され、後に25周年ビデオ(DVD「A NEW DAY YESTERDAY」)に収録される。また7(Another Christmas Song)はシングルとしてリリースされ、なんとカラオケにあったりする。ラストの10(Strange Avenues)はメロディアスな佳曲だが1番の歌詞はもちろん「AQUALUNG」のことを指している

難を言えば前作と比べてコレといった曲がないのが弱いか。前作と合わせて一枚にしたらすごく良いアルバムになった気がする。

レコーディングメンバーは、Ian Anderson、Martin Barre、Dave Peggの3人に加え、事実上正式ドラマー扱いでDoane Perryがクレジットされている。が、一部の曲はAndersonのドラムマシンである。Perryの家族に不幸がありレコーディングにフル参加できなかったためらしいが、実のところ、Andersonとしてはまだお試し期間だったのではないか。

もっとひどい扱いなのはキーボーディストである。前作リリース後に加わったDon Aileyはツアーのみで脱退。その後FAIRPORT CONVENTIONで当時Peggの同僚だったマルチプレイヤー、Martin "Maart" Allcockをキーボーディストとして迎えたのは良いが、彼はたった2曲しか参加していない。(実は後もう1曲、"Hard Liner"を弾いたが曲がボツった。これは「NIGHT CAP」に収録。)
実はAndersonとしては、あのJohn Evanの復帰参加が本命だった。しかし、本人に拒否されてしまい、結局これまた元メンバーのPeter Vetteseを呼び寄せている。
Allcockは元々キーボード専門のプレイヤーではなかったので、Andersonもその力量に不安があったのだろう。なら初めから入れるなよという気もするが・・・ここでは述べないがこの後のAllcockの扱いも悲惨なものである。

2006年リリースのリマスター盤はボーナストラック付き。7(Another Christmas Song)のCDシングル・12インチ盤に収録されていた、「THE DRESSING ROOM」と称される音源で、1989年10月13日にチューリヒのコンサート会場の楽屋で収録したもの。演奏メンバーはAnderson、Barre、Peggの中核3人。聴き応えある名演。


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